例えば算数の問題の変遷を見てみると、
難関校で出題される→塾が対策する→パターン化→中堅校で使われる→基本問題となる
というような流れがあります。パターン化というのは、これはこう解けみたいな解法ができて、暗記や知識でも解けるという問題です。
私は毎年、いろいろな学校の問題に一通り目を通しますが、やはり流れというか、はやりというのはありますね。
ところが、この研究を塾が怠り始めると、明らかに成績が悪くなるようです。先日、ある大手の進学塾の夏期講習のテキストを見せてもらったのですが、あまり変わっていないなあという印象がありました。
もちろん10数年前の問題でも、大事な問題はあるのですが、しかし、近年の問題をしっかり勉強させておく必要はある。これを自塾のテキストや授業にいかに反映させて、子どもたちの力にするか、ということはとても大事なことなのです。
私のように、授業で問題をホワイトボードに書く人間は一番、簡単ですが、大勢の生徒を教える塾では、なかなかそうはいかないので、必然テキストに頼るところがある。ところがテキストの編纂というのはお金がかかることなので、これを毎年編集するには、エネルギーがいります。
だから、まあほっておくと、子どもが近年の入試傾向についていけない。だから合格実績は残念ながら落ちることになる。
ある大手塾は、だからテキストは作らないと断言します。
毎年、塾で使用するプリントを変える。プリントだからすぐ編纂できる。これはひとつの考え方でしょう。ただ、プリントは学習しずらいという面がありますね。プリントの整理が大変だし、その量がまた問題だからなかなか、ぜんぶはやりきれない。
まあ、一長一短あるわけですが、しかし、そういう意味で観てみると、やはり過去問をしっかり学習することに理があるわけです。第一志望ばかりでなく、出題傾向が似ているここ数年の問題はぜひ受験までには勉強しておきたいですね。
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