算数の出題傾向の中で、記述型というのがあります。
解き方や式を書いていく方式で、採点の方法として部分点をつけます。したがって、最後の計算で計算間違いをしたとしても、かなりの割合の点数をくれる、その分できる子を比較的きちんと評価できる方式です。
さて、算数の記述といって、どのくらい書けばいいのでしょうか?以下のような問題があったとしましょう。
太郎君はある本を読むのに毎日読む量を5ページずつ増やしていったところ、7日間でちょうど読み終えました。花子さんは同じ本を読むのに毎日10ページずつ増やしていったところ、5日間でちょうど読み終えました。初日に2人の読んだ量がともに20ページ以上30ページ以下だったとすると、この本は何ページになりますか。
(解答例)
太郎君が初日に読んだページ数を【1】とすると
【7】+(5+30)×6÷2=【7】+105ページ・・・本の総ページ数
花子さんが初日に読んだページ数を〈1〉とすると
〈5〉+(10+40)×4÷2=〈5〉+100ページ・・本の総ページ数
これは5の倍数。【7】+105ページも5の倍数になるので、【7】も5の倍数でなければならず、【1】は5の倍数でなければならない。
20≦【1】≦30の条件で5の倍数は20、25、35なので、本のページ数は245、280、315の3通り。
〈5〉+100=245のとき 〈1〉=29
〈5〉+100=280のとき 〈1〉=36
〈5〉+100=315のとき 〈1〉=43
このとき20≦〈1〉≦30を満たすのは本のページ数が245ページのみ。
(答え)245ページ
ポイントをいくつか。
(1)
まずわからない数を【1】とか<1>とか置いています。これはパソコンだから、こういう記号を使っているわけで、子どもたちなら数字を○でかこったり、□でかこったりすればいいでしょう。ただ、何を○1と置いたかどうか、これは明記する必要がありますね。
(2)
式を書くことは、説明を省略できます。ただし、最後に何を出したのかを書いておかないと説明にならない。だから・・・本の総ページ数などの記述は必ずしておきましょう。これは、ミスを防ぐ方法でもあります。
(3)
20≦【1】≦30の表記は当然書いて大丈夫。ここで5の倍数を探すわけですから、この説明は不可欠です。
(4)
<1>が29になるということを吟味する。これも大事なプロセス。これをぬかすと、減点になるでしょう。
ということで、これがひとつの満点答案。もう少し詳しく書くことはできるでしょうが、やはり決められた時間の中でやることですから、多少の割愛はありでしょう。最初から上手に書けるわけではないので、書くことからまず初めて、必要な条件をクリアできるように、確認していくプロセスを身につけてほしいと思います。
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