親としては、A中学に合格してほしいのだが、まあ実力から考えるとB中学に入れば御の字。Aは無理でもBは外したくないなあ、という考え方は当然、あります。
で、この場合の第一志望はどちら?
Bでしょう? いえ、Aだと私は思います。というか、そう考えるべきだろうと思うのです。
AがBよりも難しい学校であるということで、話を進めますが、Bが第一志望ということになると、Aのレベルまで持ち上げるのはなかなか困難になるでしょう。そして、実際にはBがぎりぎりになる可能性があるのです。
なぜ、そうなるのか、ということについていえば、受験勉強はやはり目標によって進むもの、になるからでしょう。時間の制約がある中で、勉強を進めるわけですから、当然、効率的に進めようとします。Bの合格が見えてきた段階で、それ以上進むエネルギーはあまり必要のないものに見えてしまう。本来は、もっと進めば良いだけの話ではあるものの、別に受験勉強ばかりをしているわけではないので、「他のことをする」時間的な余裕を感じでしまうのでしょう。
ところがAを第一志望にしてしまうと、まだそこには至らない。したがって、さらにAのことを考えて努力を続けることになります。結果として本人の力は上がるので、Bは入って当然、ということになるのです。
私が教えていた生徒があるスポーツをやっていた。このスポーツに関して言うならば、その子はもしかすると全日本に入れるくらいの実力の持ち主でした。そのスポーツに強い学校がAとBと2つあった。彼が普通にがんばれば、Bは入れるが、Aにはなかなか届かない、という状況で、私は彼の第一志望をAにするように話しました。
選抜選手になるので、そう簡単に塾にもこれない、勉強の時間がない、という中で、Aに届くかどうか、ぎりぎりだなあ、という状況で、最終的にAには届きませんでした。しかし、Bには楽々とは合格しました。
しかしBで良い、ということになったら、その子はたぶん、もっとスポーツに時間をかけただろう、と思うので、結果としてBに入れる程度になったかどうか、わかりません。かつ、進学後、Bでは優秀な成績を収めているので、「勉強もスポーツもできる」子になったわけで、私としては良かったのではなかろうか、と思います。
したがってAを第一志望とするのが、私は良いと思いますが、できることならば、AとBの出題傾向は同じようなものであってほしい。例えば算数についてAは4題の難問しか出ないが、Bは10題標準的な問題が並ぶ、ということになると、対策が変わります。Aの合格点は5割前後になるが、Bは7割が目標になる。そうなるとBはスピーディーにミスなく解くという練習が不可欠になるが、それがAにはあまり役立たない。結局、2つのことをしなければならないので、勉強が複雑になります。
程度の問題はあるものの、できれば、同じ出題傾向にある学校を選んで、より難しい学校を第一志望としてがんばる、というのは成功につながる大事な考え方だと私は思います。
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