自分で勉強する工夫(2)

投稿者: | 2012年4月2日

自分でやらなければいけない、という勉強に暗記があります。

授業時間中に

「今から時間をあげるから、これこれの年代を全部暗記しなさい。」

とやる先生はほとんどいないでしょう。

覚えてくるように。来週テストね。」

が普通ではないでしょうか。

この瞬間にスイッチが切り替わります

本当は、

「歴史の流れを考える上で年号を覚えていると、順序が明確になる。順序が明確になるということは、社会の流れの変化がわかりやすくなる。」

だから「覚えるべきだ」という話なのですが、

「来週テストね」で

テストで合格点をとるために勉強する

ということに切り替わるわけです。

授業中、

「合格点がとれなかった人は居残り、再テストです。」

なんて話をしようものなら、もうこのテストに合格することが一番になってしまう。

でも塾の先生はそうします。なぜか。結果を出したいから

で、ここがある意味、一番の問題点で。

結果を出すために「動機をすり替えてしまう」ので「自分で勉強しなくなる」。

だからテストが終わってしまうと、忘れてしまう

歴史が好きな子は、テストのために勉強しません。

自分の頭の中でいろいろなことを考えるためには、知らず知らず覚えていってしまう。

だから、結構覚えている。またそういう子は好きだから繰り返す。だから忘れない。好循環です。

この好循環をいかに起こすか、経験させるか、ということが私は大事だと思うのです。

なぜ、こうなるのか。好きということが、動機になっているでしょう。

つまり動機をどう作るか?ということが必要になってきます。

例えば医学生がテストのために勉強する。これもよくある話でしょう。

ただ、彼らがテストが終わればそれは忘れてしまっていい、ということにはならない。当たり前ですが、自分の診療のために、しっかり覚えていよう、マスターしていようと思うでしょう。

そこに当然動機も責任感もあるわけです。

では、子どもたちにどういう動機を与えればいいのでしょうか?

私は、

志望校に合格したい

という動機が必要だと思うのです。

子どもが中学受験をするのは、まさに志望校に合格するためです。だから、子どもたちに魅力のある志望校が存在すれば、動機は明確になってきます。

「早めに志望校を決める」

ということに反対される塾の先生がいますが、私は早めに決めるべきだと思っています。

合格するためにはどうするのか?

自分で勉強する工夫(1)でお話した問題意識も、この動機がなければ弱くなるだけです。

逆に

ここに絶対入る」という強い動機があり、「この問題は出やすい」という問題意識があれば、「この勉強はしなければならない

ということになり、それが自分で勉強することにつながっていきます。

4月になりました。

少なくも6年生は、この段階で第一志望は決まっていて良いのではないかと思います。

そういう動機が乏しい状態の中で「言わないと勉強しない」としたとしても、それは当たり前のことなのです。

「中学受験するんだから」と言っても、子どもにはピンときません。受験の経験がないのですから。

だから、「この学校に入りたい」という具体的な夢を作っていかないと、「自分で勉強する」ようにはなかなかならないのです。

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