少子化の影響で、塾の生徒数が減少を始めた頃から中学受験のスタートが従来から1年前倒しになりました。大手塾がすべて3年生3学期からのスタートになってすでに5年近くになろうとしていますが、一方で中学校側からは「子どもたちができるようになっていない」という話を良く聞くようになりました。
これは上位校でも同じで、もう一度じっくりやり直させないといけないところが多々あると言われます。答えを出すことばかりに捕らわれて、本当にどう考えれば良いのか、何を元に判断すべきなのか、というようなことがしっかり組み立てられていない、ということなのですが、では、なぜそういうアンバランスが起こるのでしょうか。
ひとつには、成長に合わせた課題が与えられていない。つまり本人の学齢に比して過大なことをさせられていることが多いからだと思うのです。
例えばまだ4年生なのに、たくさんの問題を解いたり、計算の練習をしたりしないといけない。そうなると、子どもとしては早く終わりたい。だから何か簡単な道はないか、と考えてしまいがちです。
本当は少しずつ、興味を持ちながら考えていけばいいのですが、量があるので、そんな余裕はない。それでさっさと「終わらせる」方へ関心が向く。だからあまり深く考えず、答えを出すようになってしまうところがあるのです。
下のお子さんの受験になると、上の子の経験があるので、「そんなに急がなくても大丈夫」という感じが良く分かってこられると思うのですが、しかし最初のお子さんの受験のときは、つい親も焦ってしまうので、小さい時からがんばらせてしまい、子どもはとにかく答えを出せばいいんだ、という方向へ向いてしまいがちになるのです。
十分な体力や学力が備わっていない段階で、過大なものを与えてしまうとアンバランスなやり方を身につけてしまいがちなのです。やはり子どもの成長に合わせて課題の与え方は考えないといけない。
2年で中学受験は完成できるとお話ししていますが、それは時期も当然あるわけで、4年生から始めて2年で終わるかといえば、そうではない。
やはり5年生からじっくり始めることで身についていくことが多いのです。
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