塾では毎月組み分け試験が行われ、だいたい子どもたちの偏差値というのが決まってきます。その偏差値にしたがって、志望校を決める、というのが一般的な志望校の絞り方になってきています。しかし、このやり方は合理的であるように見えて、子どもの将来を環境を決めるという点ではやや問題が残ると思うのです。
たとえばある偏差値が決まってきたとして、その周辺あるいは偏差値以下のところで行かせたい学校がないとすれば、いったいどうなるのか?
やはり家庭としては子どもをこういう環境で育てたい、という気持ちが強いので、ならば、行きたい学校を狙う方法はないか、と考えると思うのです。
中学入試は独自入試ですから、それぞれの学校が思いを込めて問題を作る。その問題は「うちの学校に入ってきてほしいのはこういう人材」という定見があって創られています。だから、いろいろなことができる、という風には実はなっていません。多少荒削りであってもおもしろい着想を持っている、とか、入学後に学校で鍛えるから、とにかく基礎だけしっかりしてほしいとか、まあ、そういう視点を持っているので、それに応えればいい。
だから偏差値の輪切りでやるよりも、やはり行きたい学校を狙う、という姿勢がむしろ必要なのです。
したがって、成績はちょっと置いておいてどこに行きたいかをまず決めることが大事です。
決めたあとに、入試問題を研究する。合格するためには「どんなことができなければいけないのか」と絞り込む。そして、その力を身に付けるために具体的に何を勉強するかを決めて実行していく。こういう流れの方が「あまりに多くのことをやらなくて済む」ことになります。
ただ、このためにはお父さん、お母さんの手助けが必要です。
集合塾の場合は、全体をなるべく同じように進めた方が良いので、学校別指導はなるべく少なく設定します。過去問を勉強するのが直前の3ヶ月間だけ、というような塾もありますが、これも塾側の論理が優先されているからです。
学校別対策はやはりどうしても個別に指導しないと難しいところがあるわけで、それを子どもたちの勉強にどう取り入れていくか、を考えていかなければならないのです。
今日の田中貴.com
スタートの成績なんか気にしない
6年生の教室から
疲れてしまう子どもたち
慶應進学特別から
附属校のメリット