これから、インターネットや動画を中心に新たな学習法が開発され、また成績管理や進捗管理も進んでいくとしても、勉強を遂行していく子どもたちがそれをやらなければ実は、何も進みません。
アラートのメールが来ても、あるいはスマートホンが勉強の時間だ、と表示しても、それは実は無視できるものなのです。
これは大人も子どもも同じこと。
したがって、結局はそれを遂行しようとする意志をもっていないと、どんなに効率的な学習法があったとしても進歩はない。
逆に言えば、決めたことをやる能力を持っている子はどんどん進み、そうでない子はどんどん離されていく、差がどんどん開いていく、ということになるのです。
今は世界中が教育に眼を向けています。
やはり進歩は人間が担うのだから、次世代の子どもたちがどのような力を持つかによって未来は変わっていきます。だから、インフラがないところは、一生懸命インターネットを駆使するだろうし、貧しい国であったとしても、やる気と決めたことをやる能力があれば、飛躍的に成長する可能性があるのです。
では、その決めたことをやる能力はどこから生まれるのだろうか。
かえって今の日本のようにある程度豊かな国の方が、この力を身に付けることが難しくなっているように思えるのです。
子どもの数が少なくなり、それを囲む大人が増えて、子どもたちはいろいろなことをしてもらえる。
自分で問題を解決せずとも、好きなことをやっていればいい、という感覚を持ちやすくなっているかもしれません。
で、そこを解決するために、まず小さいときから大事なことは実はお手伝いのような気がするのです。
例えば子どもがお風呂の支度を受け持つ。
子どもがお風呂の支度をしていないと、だれもお風呂に入れない。お風呂は今は便利ですから、抜いて新たなお湯をいれればいいのでしょうが、それでも浴槽を掃除しないといけない部分はあるわけで、そういうことを子どもが分担して、毎日、必ず準備してもらう。
「あ、やっていない」
というので、すぐに手を出さない。またやってないからといって怒らない。ただ、待っている。
それを繰り返すことで、子どもは確実に「やらなければいけないこと」をやるようになる部分があります。
自分で勉強する、ということは結構難しいことだが、お風呂の準備はそれほど時間がかかるわけではない。そういう簡単なことを積み上げていって、初めて「決めたことをやる能力」は身に付くのだけれど、そういうことを一気に飛ばして「自分で勉強する」ということに跳んでしまうから、その力がなかなかつかないのではないでしょうか。
いろいろなことが効率化、最適化してけばいくほど、子どもに実行力がなければ差がどんどん広がるだけだ、というのは結構怖い話でもあるのです。
塾に早く入れても、そういう力がなければ、かえって子どもたちにとってはマイナスの面が出てくるかもしれない。
まずは、子どもたちと話をして、やってもらうことを決めてみてはどうでしょうか。
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