中学入試では当然、三平方の定理は使えません。
しかし、3:4:5という直角三角形は良く使われます。整数の比で使えるものとすれば、あとは5:12:13ですが、こちらの頻度の方はあまり高くない。
ちなみに、その次は7:24:25 次が9:40:41です。(規則があります。奇数の積を1の差でわければいいわけですが。)
で、こんな問題に使われるのです。
下の図の三角柱は底面が直角二等辺三角形、側面がすべて長方形です。これを3点A、C、Pを通る平面で切ります。
次の問いに答えなさい。
ただし、AC=8cm、AD=6cm、BP=PEです。
(1)三角すいABCPの体積を求めなさい。
(2)切り口の三角形ACPの面積を求めなさい。
(3)三角すいABCPの、底面を三角形ACPとしたときの高さを求めなさい。
2009年城北中学
ACの中点をQとして、Bと結びます。
(1)は三角形ABCが直角二等辺三角形なので、BQは4cm
したがって三角形ABCの面積は8×4×1/2=16
三角錐ABCPは16×3×1/3=16cm3になります。
(2)さてここが問題。
BQが4cmであれば、BPが3cmなので三角形BPQは3:4:5の直角三角形になります。したがってPQ=5cm
ACが8cmですから三角形ACPの面積は8×5÷2=20cm2になります。
空間の部分に3:4:5の直角三角形を見つけることができるか?という問題ですね。
(3)は(2)が出れば簡単。
(1)が16cm3ですから 20×高さ×1/3=16なので16×3÷20=2.4cmと求めることができますね。
気がつけば簡単でしょうが、やはり空間は得手不得手がはっきりするようです。空間自体をしっかり把握するということはなかなか難しいことなので、練習は必要でしょう。立体の切断も、最近良く出題されるようになりましたから、要注意です。
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